トップページ > 晏子春秋 内篇 諫上第二 > 景公自ら冠裳遊処の貴に矜る、晏子諌む【第十五】 | ||||
景公自ら冠裳遊処の貴に矜る、晏子諌む【第十五】
2020 - 05/28 [Thu] - 12:50
景公自ら冠裳遊処の貴に矜る、晏子諌む【第十五】
景公は西曲潢をつくり、その水の深さは車が沈んでしまう程深かった。
宮室の高さは三仭(24尺)、欄干に彫文をほどこした。
公は天子の衣服をつけ、 それには五色の縫いがあった。
佩玉をつけ冠をつけず、神を結ばず振り乱し、南面して立ち、自ら誇った。
晏子は公に見えた。
公は「昔、仲父(管仲)の覇業はどのようであったろうか」と言った。
晏子は抑首して答えなかった。
公はまた「仲父の覇業はどのようであったろうか」と言った。
晏子は答えて
「臣はこう聞いています。
翟人はいれずみをして竜蛇のようにします。
いま君は欄干を龍蛇に、立木に鳥獣を彫り、宮室を高くしておられる。
どうして覇を志す暇がございましょう。
また公は宮室の美を誇り、衣服の美を尽くし、一衣に五色の刺繍をしています。
佩玉を帯びて冠をつけず、髪を振り乱して、また宮室を広くしておられます。
万乗の君でありながら、心を邪にして君の魂は正道を失っておられます。
誰と共に覇を計ろうとされるのですか。
公は堂を下りて晏子に
「梁丘拠・裔款が、宮室が構築されると寡人にこの服を着させ、たわむれて彼らと談笑したのだ。これを夫子に見られてしまった。 宮室を改め服を代えて、つつしんで教えを聞こう。それでよいだろうか」
と言った。
晏子は
「その二人は君を惑わせ邪にさせます。公はどうして正道を知ることができましょう。木を伐るにもその根から伐らなければ、まあ耳が出ます。公はどうしてこの二人を追放して 感官の欲に溺れることのないように」
と言った。
スポンサーサイト